2005/04/11

バリアフリー入門

 風の子会の会報誌「風の子便り」、2004年5月号から2005年3月号まで連載されていた、岡本明副会長の「バリアフリー入門」。皆様のご要望にお応えして、風の子会HP内にまとめました。
 大変読み応えのある記事なので、会報で読んだ方も、まだ読んだことの無い方も是非ご覧下さい。

 尚、「風の子便り」は一部40円、年10回発行で年間購読400円です。ご購読を希望される方は風の子会までお問い合わせ下さい。

2005/04/01

第1回 バリアフリーって何だ?

 皆さん、バリアフリーっていう言葉、聞いたことあるでしょうか。たいていの人は聞いたことはあるでしょう。でもその意味や、内容についてはあまりよく理解していない人が案外多いのではないでしょうか。この“バリアフリー”は風の子会にとても深い関係があることですから、その中身は皆さんにぜひ理解しておいていただきたいと思います。そこでこれから何回かにわたって、バリアフリーに関連することがらを紹介していくことにします。できるだけ分かりやすく、あまり堅苦しい話にしないで、楽しんでいただけるように書いていくつもりです。
 さて、バリアフリーの“バリア”は「壁」とか「じゃまもの」という意味で、“フリー”は「~が無い」とか「自由な」とかいった意味の英語です。ですからバリアフリーとは、“障害のある人でもいろいろなことを困難なくできるように、じゃまになっているものを取り除こう”という考え方のことです。
 じゃまになっているのは、通路においてある空き箱、点字ブロックの上の自転車などに始まり、手が動く人でしか使えないようなパソコンの操作方法、耳の聞こえない人には分からない駅のアナウンス、さらには、障害のある人に対する間違った見方や差別の考え方、などなど沢山あります。皆さんも日常、ずいぶん不便を感じていることでしょう。
 一方、風の子会では通所会員のほとんどが、いろいろな方法でパソコンを使っていますね。足でトラックボールを動かしている人、呼気スイッチで操作している人。こういうものがバリアフリーの技術なのです。また、障害があっても、「とても無理だ」「そんなことは無駄だ」とあきらめないで、通所会員もボランティアも職員もチャレンジしている、これがバリアフリーの考え方なのです。


 
似たような内容の言葉に、「ユニバーサルデザイン」や「アクセシビリティ」などがあり、皆さんも聞いたことがあるでしょう。これについては後ほど改めて紹介しますが、簡単に言えば、ユニバーサルデザインとは“高齢の人でも障害のある人でも誰でもが使えるようなものを設計すること”、アクセシビリティとは“そのままでは使えないものをいろいろ工夫して使えるようにすること”です。厳密にはそれぞれの意味や考え方は違うのですが、おおざっぱに言えば目指すところはどれも同じです。この連載では主に「バリアフリー」という言葉を使いますが、「ユニバーサルデザイン」や「アクセシビリティ」も含んだ話だと考えていただいて良いと思います。
 今回は“バリアフリー”の言葉の意味についてお話しました。次回は「障害とは」について取り上げてみたいと思います。それはちょっと違うんじゃないか、こんなことも知りたい、など皆さんからのご意見やご質問もどんどんお願いします。では、また次回。